2023 FIM EWC 開幕戦ル・マン24時間【前半】
前半戦12時間が終了!220周以上にわたりトップをキープ!

2023.04.16レース

 ポールシッターの#12YOSHIMURA SERTが、スタート直後にジョシュと接触して大クラッシュするという劇的な幕開けとなった2023年のEWCシーズン。その後ジョシュは、早々と現れた周回遅れや序盤から介入したセーフティカーなどもありペースが安定せず、一時は8番手まで順位を下げていた。しかし、トップグループには位置しており、状況が落ち着くと共に順位も回復、続くマイクへはトップでつないだ。

レース序盤のジョシュ
レース序盤のジョシュ。周回遅れやらトップ争いやらでなかなかペースが安定しない

専用のバルブキャップとトロリー設置風景
専用のバルブキャップ(左)とトロリー設置風景

 今季からのルール変更で、EWC専用でワンメイクの給油装置(クイックフィルシステム)の使用が義務付けられ、これまでの背の高い2口型のロケット型給油装置は使用できなくなった。この変更により、まずは給油作業自体の見た目が変わったことにまず気付くはずだ。同時に給油およびガソリンの取り扱いを含む運用面でも厳格なルールが定められ、給油装置は専用のトロリーによりピット内の決められた位置に設置することになった(2023年の鈴鹿8耐についてはこの規則は適用されず、昨年のルールが適用される)。

 ガソリンタンクのバルブにはキャップの装着が義務となり、TSRでは各ライダーが各自で所持して取り外しと装着を行うことにした。手の中に収まるくらいのキャップなので見えにくいが、ピット作業などでよく見ると手に持って脱着したり、キャップが装着されている様子が分かるだろう。

#37とバトルを展開するアラン
#37とバトルを展開するアラン

ジーノのパレードラップ
奇跡の回復具合を見せたジーノのパレードラップはブガッティ・サーキット1周

 トップをキープしたマイクがアランにそのままトスする頃には、#37BMW Motorrad World Endurance Team、#7YART YAMAHAの3台によるトップ争いが激化していく。このバトルは、決勝レースの最初の重要な節目である8時間経過直前まで続いた。しかし、#37BMWがクラッシュで、#7YARTがメカニカルトラブルでそれぞれ順位を下げたことで一旦決着が付き、F.C.C. TSR Honda Franceは8時間をトップで通過し、10ポイントを獲得した。とはいえ、チームも無傷だったわけではなく、マイクが8時間を目前にして黄旗違反によるストップ&ゴーのペナルティーを受けてしまうわけだが…。

 その後、12時間経過までにはマシンがコース上に残ったことによるセーフティカーの介入があったくらいで、チームとライダーは順調にルーティンをこなし、2位以下に2周以上の差を付けてトップを譲ることなく独走中だ。

【ジーノ・リアのオナラブル・パレードについて】

 奇跡の回復によりブガッティ・サーキットに登場したジーノ・リアは、レースのスタート前、まずグリッドに整列したライバルとそのチームから祝福を受けるように、整列した横を市販Honda CBR1000RR-R Firebladeを駆って通過、そのまま、ダンロップカーブに向かって拍手と声援を受けながらサーキットを1周した。

 『チームと一緒にここにいることができて、とてもうれしい。もちろん、パレードラップをするのはとてもいいことだけど、レザースーツを着てここでレースをしたいとも思うから難しい気持ちだね』
怪我から完全に回復するまでの間も、ジーノは来る24 Heures Motosに出場することを望んでいるという。

12時間経過時順位

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